農場HACCPは「人づくり」

こんにちは、コロナ疲れ気味の福中です。

庭のツツジ、キタコブシが咲き始め、

人間の営みに関わりなく季節は巡るのだなぁとシミジミしたりする今日この頃です。


このコロナパニックの中、

ありがたいことに農場さんとのお仕事は変わらず継続していただいています。

(親子カフェは5月中は休業ですが)



農場HACCPは、食品安全のための手法であると同時に

「人づくり」のための手法でもあるというお話をします。


農場HACCPに関わるお仕事を始めて、約半年が過ぎました。

現在2件の農場さんで構築指導をさせていただいています。

1月から始まった認証審査員のお仕事では、これまで4件の審査を経験しました。


農場HACCPを取り入れる農場さんが、

何をニーズにしていらっしゃるかということを

審査や構築指導の時にお伺いすることがあります。

農場HACCPを通して何を実現したいかと言うことです。


すると、今のところ大半の皆さんが

「人材育成です」とおっしゃいます。


農場を立ち上げて間もない状態だったり、

農場の経営としては年数が長いけれども、

人に教育することをに悩みを持っていらっしゃったり、

経営や、技術を引き継いでいく段階に利用したいと言う声をよく聞きます。


それぞれの農場さんごとに、家畜の飼い方や農場全体の管理は

今まで培われてきた知識や技術があると思います。

毎日の作業や勉強の積み重ねはとても貴重なものです。

生き物相手の仕事ですので、「これさえしておけば」という完成形はありません。

個々人の経験値が上がるのは良いことなのですが、

なかなかそれを人に伝えて動いてもらうのは難しいです。

農場HACCPでは、そういった個人が持っている知識や技術、

そして可能であれば職人の「勘」といったものも文書にしていきます。


それは、その農場にしかないオリジナルのマニュアルを作ることであり、

農場を立ち上げ維持発展させてきた、

先輩技術者の知恵と技術を結晶化させることでもあります。


「当たり前のことを当たり前にやる」

地道ですが、これが家畜を飼う上で大事なことだと思います。

その「当たり前」はどうして必要なのか、

農場HACCPの文書作りの過程で考えていきます。


文書を作ることが目的ではなく、

作る過程で働く人の知識が平準化されること、

作った文書を土台にして、技術をさらに発展させていくこと。

そういったことが農場HACCPの文書作りでできると思っています。








なつみの連絡ノート

北海道、十勝の芽室町で 3人の男児の母と獣医師をしています。 獣医の仕事や、 子どもたちとの生活について などを綴ります。 読んでくれた方と、連絡ノートのように お話をしていけたらいいなと思います。

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